2007年11月08日
アフガン
アフガニスタンを慰問に訪れたロビン・ウィリアムス。
後方にチラ見えするイカツイ男に注目。
たまには商売っ気抜きのお話を。
「現代の傭兵たち」って本、読んだことあります?
あふりかもお客さんに勧められて読んだのですが
スゴク中身の充実したイイ本です。
ルポルタージュとしての面白さはさることながら
「PMC」を知る上ではこの上ない資料となります。
PMCの業務と言えばVIP警護が有名ですが
「現代の傭兵たち」にはイラクのブレーマー警護隊と
アフガニスタンのカルザイ警護隊の話が出てきます。
面白いのが、CPA長官ブレーマーと比較して
1国の大統領カルザイの警護費用が安かった話。
カルザイ警護を請け負ったダインコープ社は金払いが悪く
不満を抱いたOPが契約を延長せずに大量離脱し、警護に空白が
生じそうになったという記述があります。
アメリカって国の思惑が「金の動き」を通して如実に表れています。
「対テロ戦争」の主目標であるが不毛の地であるアフガニスタンよりも、
石油利権の大きいイラクに重きが置かれているのが判ります。
あふりかが中学生の時にソビエトがアフガニスタンへ侵攻、モスクワオリンピックを
西側諸国がボイコット。現在に繋がる混乱が萌芽します。
大友克洋氏作「気分はもう戦争」や元コンバットマガジン編集部員 東郷 隆氏著
「戦場は僕らのオモチャ箱」を熱心に読んでいました。
その延長で興味を持ったのが支倉 洋海氏の「マスード取材」。
マスードとはアフガニスタン、パンジシール渓谷を拠点に反ソゲリラを組織した
アフマド・シャー・マスード。貧弱な装備ながら地の理を生かしたゲリラ戦と「人望の厚さ」から
「パンジシールの獅子」と呼ばれた人です。支倉氏のマスードの写真は「ゲリラの指揮官」の
イメージからは程遠く、文学者と言われれば信じてしまいそうな穏和な表情のものが多かったと
記憶してます。
ソビエト撤退後もアフガニスタンの混乱は続き「北部同盟」の領袖となったマスードですが、
「爆殺」の報に驚いたのも束の間、9.11を目の当たりにします。
軍人出身ドスタムやジハード戦士では無かったカルザイではなく、
マスードが「もしテロを切り抜けて大統領になっていたら」今のアフガニスタンの
状況はどうなったか、とても興味のあるところです。