2008年05月23日
Insurgency war2
旧南アフリカ陸軍 第32大隊兵士 黒人兵へ偽装するため「Black is Beautiful」クリームでフェイスペイントを施している。
続き
英軍はマラヤにおいてInsurgency war戦術を確立、続くボルネオでこれを更に発展させます。マラヤでの経験はボルネオで大いに役立ち、その後の英軍用兵思想に組み込まれます。ボルネオとほぼ同時期、ベトナムでは米軍が介入を拡大しつつありましたが、冷戦下、「核」を中心とした軍備拡大を軸としていた米軍はInsurgency warへの対応が遅れていました。設立間もないGBも手探りの状態であり試行錯誤が続きます。
マラヤ紛争初期に設立された英軍「マラヤスカウト」はその後SAS 21stRegへ拡大されます。その中には当時英連邦に属してしたローデシア将兵が含まれており本国帰還後RhSAS(ローデシアSAS)が設立されます。
英軍が戦ったマラヤ(マレーシア半島を指します)、ボルネオ(現カリマンタン)は熱帯ジャングルでしたがローデシアはサバナ気候特有の草原、灌木地帯、砂漠を持つ国土であり、高地に至っては日本の軽井沢を思わせる気温です。RhSASはInsurgency war戦術を国土にあったもの、ローデシアの国情にあったものへと発展させていきます。
独自の発展を遂げるローデシアSASの背景となったものに触れておきましょう。
ローデシアはアパルトヘイト政策を実施する白人支配国家でした。少数白人が大多数黒人を支配する体制はひずみを生み、黒人による自主独立の気運が芽生えます。ここへ結びついたのが共産主義であり、ソ連、中国、キューバ、東独、北朝鮮から武器が流れ込みます。武器=イデオロギーの時代、反政府組織の共産化が進み、時のローデシア政府は複数の反政府武装勢力と対峙する事となります。
ローデシア周辺国は宗主国ポルトガルの左傾化と経済的疲弊などにより次々と社会主義、共産主義国家として独立。ローデシア反政府勢力の「聖域」となりローデシアは正に四面楚歌の状況。唯一南部で国境を接する同じアパルトヘイト国家 南アフリカ共和国のみが軍事、経済面での頼みでした。
少数で多数と戦う場合に必要とされるのは「効率」と「速度」です。ローデシア軍は情報部と特殊部隊の連携によりゲリラ活動地域を事前に察知し部隊で急襲する戦術をとります。まだヘリコプターの大型化が進んでいなかった初期には米国製C-47「ダコタ」輸送機による低空からのスタティックライン降下でゲリラの退路を断ち、双輪装甲車に分乗した部隊が突入する戦術が用いられます。
アフリカで独自に発展した兵器である双輪装甲車は広大な荒れ地を高速で踏破する目的で開発されました。初期にはトラックが用いられましたが地雷による被害が多く貴重な人員に被害が及ぶ為に新たに考案されたのが対地雷車両。ドライブシャフトやステアリング装置を延長し車両前部から兵員乗車部までの距離を稼ぎ人員に被害が及ぶ事を防ぐ工夫がなされています。又、兵員乗車下部を船底型にし地雷の爆風を逃がす構造も採用されます。
ヘリコプターの性能が向上すると空挺降下からヘリボーンへと戦術が変化し、より攻撃の効果があがります。しかし小国ローデシアでは大量装備が困難で有るために南アフリカより多数のヘリコプターが貸与されます。南アフリカの援助が兵器、物資のみならず人員にも及びます。南アフリカ警察SAPからは相当数の隊員がローデシア戦争に派遣されています。ローデシアが直面していた状況は南アフリカが抱える将来への懸念であり、ローデシア戦争で有られた経験、情報はその後の南アフリカ軍において大いに活用されます。
当初ローデシア軍の特殊部隊はRhSASが唯一のものでしたが、より攻撃力が高く、規模の大きな部隊が求められます。その要求から新設されたのが「アフリカ型特殊部隊の雛形」とよばれる「セルーススカツ」です。白人兵士により構成されていたRhSASと異なりセルーススカウツは白人黒人の混成部隊であり、人員確保が容易となります。部隊創設にあたったのはRhSAS出身将校であり、用いられた戦術はマラヤ、ボルネオで編み出された本家SASのものをローデシア独自に発展させ、且つ攻撃力と規模を拡大したものとなります。
つづく
2008年05月23日
PMCスタイル-VOLK パンツ編-
左:DVD「GUNNER Vol.8」、DVD「CQBベーシックマニュアル」に登場した訓練機関LMS Defense トレーニングディレクター John Chapman氏 右:LMS Defense訓練参加者
彼の被るキャップに注目。「VOLK Tactical Gear」ダス!
ハイ!あふりかです。
PMCスタイルに関してグダグダ言う4回目。
本日は、「大阪から世界に発信するタクティカルギアメーカー」、VOLK Tactical Gear製パンツについてクダをまいてみましょう。w
VOLK Tactical Gearはミリブロでもブログを公開中ですんで ご存知の方も多いと思います。「大阪から~」ってキャッチフレーズは、あふりかが勝手に言ってますがコレ、「本心」で言ってます。
VOLK Tactical Gear製品は、デザイン・製作を担当するOXGEN氏と、部材調達を担当するNAO氏2人の手により造り上げられています。お二方共に大のサバゲファンであり、エアガン、装備の造詣がヒジョーに深い。VOLK Tactical Gear製品に見られる「かゆいところに手が届く工夫」は、2人の経験、知識の集大成である事は間違い有りません。OXGEN氏考案のデザイン、ギミックには毎回唸らされますし、NAO氏の部材知識、選択には本当に勉強させられます。
現在販売中のタクティカルパンツはVer 2。先のVer 1は買いそびれてしまいましたんで比較が出来ません。よって今回はVer 2に関しての記述となる事を前もってお断りしておきます。
VOLK タクティカルパンツの大きな特徴の一つが「素材」です。5.11、ウーリッチ、BHIはタクティカルパンツの素材として「コットンツイル地」を採用しているのに対してVOLK タクティカルパンツ Ver2.0は「コットンダック地」を使用しています。あふりかはお洒落オンチですんで「コットンダック地」なるものが判りませんでした。
「ダック地」とは「帆布」とも呼ばれており、その名の通り、昔は帆船の帆に使用された生地です。風を捉えやすいしなやかさと強度が特徴です。現在のアパレル業界では「ツイル地」製品が大勢を占めていますが、「ダック地」は柔らかな肌触りでありながら強度のある素材として見直されており、レトロ調デザインの製品に採用されるなど「お洒落さん」には注目されている素材です。
タクティカルパンツは「動きやすく、耐久性に優れ、収納力がある」事が求められています。VOLK タクティカルパンツ Ver2.0もこの要求を満たすデザイン、ギミックを備えています。
タクティカルパンツのポケットの特徴は大きく割れた「Vカット」。前後ポケットの口を大きくする為にV字型にカットしています。各社、このV型には拘りがあり比較してみると微妙に角度が変えてあります。個人的な感想ですがVOLK タクティカルパンツ Ver2.0のVカットは幅が広く他社に比べて手が差し込みやすくなっています。顕著に感じるのが自動車乗車中に財布を取り出す時です。深いカットの為に座った状態でも後ろポケットに直ぐに手が差し込めます。
フラップ付きのポケットでは他社に見られないホリゾンタル(水平)ポケットを備えています。用途は様々ですがキーホルダーをジャラジャラと提げたく無い時はこのポケットは便利です。イスに座る際も邪魔に成らず音も防げます。5.11では左腿のみ配置されているセルフォンポケットは両腿にあります。ウーリッチ、BHIも両側配置としておりサイホルスター使用時に利き手に関わらずポケットの使用が可能です。セルフォンポケットの両側配置は今やタクティカルパンツのトレンド(死語)となっておりVOLK製もシッカりと押さえています。
他のパンツも所有している人は見比べて欲しいのがフラップに縫製されたフック&ループ。他社がフラップ側に♂、パンツ側に♀を縫製しているのに対してVOLK タクティカルパンツ Ver2.0は逆にしています。例えばノーメックスグローグ着用時にフラップを開放しようとするとフラップ側に♂が縫製されているとグローブに引っかかる事があります。素手の場合は「ザリっ」とした感触が残ります。VOLKはコレを逆にする事で違和感を避けています。感覚的なモノかも知れませんがフラップを開放する抵抗もVOLK製の方が強く感じ、ポケット収納物の紛失防止に一役買っていると感じます。
5.11、ウーリッチがインナーニーパッド対応としているのに対してVOLK タクティカルパンツ Ver2.0は外側にパッドスペースを設けています。好みの出るトコロですが、デザイン上のアクセントとなっていると共に膝部の補強も兼ねています。この方式はT・A・D GearのFORCE-10 ユティリティカーゴパンツも採用しています。OXGEN氏のマニア魂が見えるトコです。
さて、提灯掲げるつもりは無いのでちょっとゴーマンかまします。
タクティカルパンツとしては新機軸であるダック地は履き心地が大変良いものの、生地自体の目がツイルに比べて粗いものとなっています。ここで発生する問題は「縫製」。目の粗い生地を縫製している為に糸留めがツイル製品に比べて若干弱くなります。実際にあふりかが着用しているパンツは、右セルフォンポケットを車のドアに引っかけた際に縫い目がほつれましたし、着用、洗濯を繰り返したところ股の縫い目が一段ほどけてしまいました。縫製に太く強度と高い糸を使えば良いのかも知れませんが、そーすると肌との摩擦で違和感を感じてしまいます。幸い、ダック地は柔らかく簡単に針が通りますので、あふりかはチョイチョイと縫ってしまいました。(小学校時の家庭科はAでした)
ツイル地ではこうは行きません。生地自体が破れる事が無いのを考えると、ダック地使用は「アリ」ですし縫製の手直しも簡単です。履き心地の良さがこれら問題に優さると考えます。
(こーゆーのをツンデレって言うの?)
イマイチ「モッタイナイ感」があってゲームで着用していないんですがVOLKのOXGEN氏、NAO氏はバンバン履いてゲームに出ています。あふりかも次回ゲームでは上下VOLK製品でヤッてみようと思います。ちなみにTOP画で訓練参加者が被るVOLKキャップ、あちらで非常に好評。「スカルマーク」の本場でもVOLK製品のデザインは「Cool!」と評価されてます。
「大阪から世界に発信する」は現実のものとなろうとしています。
今後もVOLK Tactical Gearから目が離せません。
(綺麗にまとまった!w)