
南ア陸軍 騎馬追跡部隊
つづき

元RhSAS Reid-Daly中佐により創設された特殊部隊セルーススカウツは「アフリカ型特殊部隊の雛形」であると共に「ローデシア戦争中、最も戦果を上げた部隊」として記録されています。何故セルーススカウツはこのような戦果を上げる事が出来たのでしょうか?

反政府武装組織ZIPRA、ZANLAは隣国内にベースキャンプを築きローデシア国内へ侵攻を重ねます。ローデシア軍は空軍、特殊部隊トラッカー(ハンターの経験を持ち、足跡や残留物から敵を追跡する偵察部隊)、友好村落等から得た情報を情報部が統括します。その情報に基づいてゲリラ部隊の位置を特定、米軍が朝鮮戦争で行ったスレッジハンマー同様にゲリラの退路を空挺、ヘリボーン部隊により塞ぎ、双輪装甲車に分乗した部隊が一挙にゲリラ集合地へ突入します。このゲリラ追跡、直接打撃を自ら担当可能としたのがセルーススカウツでした。

草原、灌木地帯は攻撃をゲリラに察知されやすく、攻撃を察知したゲリラは少人数に分散し逃げてしまうので再捕捉したとしても効果的な戦果が得られない。その為にスピードが重要となります。ローデシア軍はドイツ製ウニモグトラックなどを改造した双輪装甲車を開発しますが工業力が低く、満足の得られる車両には至らなかったと聞きます。旧式輸送機、小型ヘリ、急造装甲車など不十分な装備の中でセルーススカウツが大戦果を上げる事が出来た事は、いかに用いた戦術がローデシアやアフリカの地勢や状況に合うものであったかの証左であると考えます。

セルーススカウツという傑出した部隊を作り出したロ-デシアですが、元々の国力は乏しく南アとの貿易や物資流通が生命線でした。反政府勢力はローデシアの通商、経済施設(幹線道路、橋梁、資源備蓄基地)の破壊活動を活発化させローデシアの継戦能力を奪い遂に屈服させる事に成功します。南部アフリカ開拓の英雄セシル・ローズの家、を意味するローデシアは消滅しジンバブエとなります。

黒人国家として生まれ変わったジンバブエからは多くの白人が南アフリカへ移住します。その中にはローデシア軍Insurgency warの中核を成したRhSAS、セルーススカウツの隊員が多く含まれていました。一応の完成型を見た「アフリカ型特殊部隊」は南アフリカでにおいて更に発展していきます。
つづく
Posted by あふりかくん
at 14:00
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